技術者として世界で活躍するために、
今チャレンジすべきことを追求し続ける。
-2013年度入社-
YKK
人間・機械科学専攻修了 [取材時] YKK株式会社 ファスニング事業本部 商品開発部 製法開発室 専用ライン開発グループ [現所属] YKK株式会社 製造・技術本部 生産技術部 商品設備開発グループ F設備開発チーム |
PROFILE
学生時代に学んだ機械系の知識を生かし世界で活躍してみたいと思ったのが入社の動機だという。海外トレーニー制度(※)で派遣された台湾では現地の美味しい料理を満喫し、帰国してからは食材を工夫して台湾料理を作ることが趣味。また、学生時代から和楽器に興味があり、尺八の稽古もしている。
※海外トレーニー制度:技術職掌を中心とした選抜型の、海外主要拠点における1年間の研修制度。生産および開発担当として役割の理解・技術習得・異文化理解を目的とした研修に取り組み、将来の海外赴任に備える。
ファスナーの製造にはいつでも最先端の技術が凝縮されている。
ファスナーの商品化に向けた製造条件や製法の検討、製造機械の開発などに携わっています。主に担当しているのは、スライダーや止具などの部品をテープに取り付け、ファスナーをオーダー通りの寸法に仕上げる機械の開発です。
ファスナーはシンプルな商品に思われがちですが、その製造には最先端の技術が凝縮されています。今までYKKは高品質な商品を作ることを得意とし、グローバル顧客の信頼を得てきました。けれども、現在私たち技術者に求められるのは、高品質な商品をスピーディー、かつ低コストで製造すること。これまでと違った次元の技術が要求されるのです。その新たな技術への挑戦が、技術者としての難しさであり面白さでもあります。
海外トレーニー制度で台湾に赴き、「もっと成長したい」と意欲が高まった。
世界の国々でしっかり根を下ろして仕事をしてみたい。そう思ったのがYKKを志望した理由です。その第一歩を踏み出すことができたのは、入社4年目の2016年。海外トレーニー制度で1年間、YKK台湾社に派遣されました。
最初に担当した業務は、自分が日本で開発した製造機械の現地工場での立ち上げ。文化も仕事のスタイルも違うなか、拙い中国語を身振り手振りで補いながら、必死になって現地のスタッフと一緒に仕事に取り組んだことが印象に残っています。コミュニケーションの大切さ、技術者としての力不足を痛感し、もっと成長したいという意欲がますます高まりました。
グローバルな競争に挑むために、技術者に何が求められているのか?
わずか1年ほどでしたが、台湾では多くのことを学びました。市場環境の変化が著しいアジアでは、ライバル会社も多く、顧客の高い要求に応えるためにより短い期間で開発を行う必要がありました。そこで、開発のスピードアップにむけ、より幅広い技術を身につけたいと強く思うようになりました。
また、お客様の縫製工場を見学して実際にファスナーを衣料品に縫い付ける現場を知ることによって、今後の開発に役立つヒントを得ることができました。「もっと縫製しやすいようなファスナーを開発すれば、YKKならではの差別化を図ることができるのではないか」といったように、ファスナー単体の製造に留まらず、その後の縫製の過程にまで視野が広がったのも、技術者として貴重な経験でした。
技術的な深さとともに、オールラウンダーとしての幅広い知識も学びたい。
海外トレーニーで刺激を受けて、新しくチャレンジしてみたいと思ったことがもうひとつあります。それは、電装設計やプログラミングの知識を身につけること。私は機械系の出身で、電気などの分野はどちらかというと苦手。しかし、製造機械の試作などでは動作そのものを調整したいと思うことがよくあり、そのためには電気やプログラミングの技術も必要となってくるのです。海外で技術者として活躍していくためには、技術的な深さに加えて、オールラウンダーとしての幅広い知識も欠かせません。
現在は、また新しい製造機械の開発を任されています。次に世界に飛び出すときには、トレーニーではなく、責任者として現地での開発を担うことになるはず。そんな将来を思い描きながら、気持ちを引き締めて日々の仕事に取り組んでいます。
※インタビュー内容は取材時のものです。 (2017年11月取材)